北海道馬産地見学ガイドツアー2017 社台グループの牧場を巡る

   2017/12/20

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さてさて北海道馬産地見学ガイドツアーも残すところ
あと一日となりました。

今日は、日本の馬産を、

いや

軽種馬産業をリードする大御所 社台グループの
関係施設を廻ります。

追分ファームリリーバレー・
ノーザンファーム
空港牧場・
早来ファーム・

昼食(ノーザンホースパーク)をはさんで
社台スタリオンステーションまで

全5か所廻りつくします。

最終日という寂しい気持ちといよいよ最高峰の名馬たちに
会えるうれしい気持ちが交錯する中、

ツアー一行はバスに乗り込みます。

登別を出発し千歳方面に向かう途中の勇払郡安平町にある
追分リリーバレーは2011年にオープンした調教場を含む
総合牧場です。

生産主体だった追分ファームに全天候型の周回コース・
坂路コースを始めとする調教施設を設け

生産~イヤリング~育成~調教とトータルの
競走馬育成がなされています。

◎全天候型坂路コース(1020m ウッドチップ)

山を切り開いたのではなく、もともと平坦だった
土地に土を盛ることによって造られている坂路

高低差は36.8mというかなりきつい設定で、馬の脚元に
負担がかからないように坂の終点で自然に
馬がスピードを落とし止まれるよう配慮されている。

◎全天候型周回コース(外1000m 内600m ダート)

白老産の砂を使い、3回にわたって攪拌して洗い
不純物をとりのぞいたダート。

砂の深さは外コース13センチ内コース15センチと深く、
スピードをだす調教というよりも馬に負荷をかける
調教ということに重きが置かれている。

育成厩舎として120馬房が置かれ、主に追分ファームで
生産された競走馬の育成を担っている。

ちなみに今年の
マイルチャンピオンS(GⅠ)を優勝したペルシアンナイト、
同3着のサングレーザーは追分ファームで生産され、
追分リリーバレーで育成された競走馬である。

そしてそして次に向かうのはノーザンファーム空港牧場です。

ここらあたりは社台グループの牧場がいたるところに
点在しています。

しばらくバスで移動するとすぐに牧場がみえてきます。

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ここは生産牧場とは一線を画している育成牧場です。

追分リリーバレーに負けない850mの全天候型の坂路があり、
その他にも1200mの屋外坂路・3種の周回コースがあります。

育成厩舎は全部で18棟なんと500頭の馬を収容することができます。

バスの中からかつてオルフェーブルやジェンティルドンナが
暮らしていた育成厩舎も紹介していただきました。

この空港牧場内には社台ホースクリニックという馬専門の
クリニックもあります。

社台の馬ばかりでなく他の牧場の馬も診療していて
馬たちの健康管理・けが・病気その他に対応しています。

このクリニックで治療した後に重賞を制覇した
名馬たちのパネルがいっぱい飾られていました。

ひょっとしてサラブレッドに掛けられる手厚さは人間の
アスリートと同じ? 

いやそれ以上と思うのは私だけではないはずです。

こうしたすばらしい環境の空港牧場で育成された馬で
今年の東スポ盃2歳ステークス(GⅢ)を優勝した

ワグネリアン、同2着のヘンリーバローズどちらも
ディープインパクト産駒のこの2頭は

来年のクラッシックの有力候補として
いまから注目をあつめています。

ノーザンファーム空港牧場の広大な施設を後にして
バスは次の目的地早来ファームに到着しました。

ここでは去年生まれた一歳馬と今年生まれた
当歳馬たちを見せていただきます。

馬は神経質でいつもと違う環境だったり突発的なことが
おこると驚いて暴れたり制御がきかなくなったりします。

まして まだ馴致のすすんでいない一歳馬や当歳馬にとっては
大きな声とかは禁物なのですが、

ここではあえて説明のときにスタッフの方が
拡声器を使ったりしても馬たちは泰然としていますし、

風に飛ばされた紙がひらひらと当歳たちの足元に
飛んでいっても驚いて慌てる馬はいません。

みんな落ち着いた性格をしています。

いわば優等生なのでしょう。

そんなかわいいおりこうさんな当歳たちに見送られて
早来ファームを後にしたのですが、

見学させていただいた一歳馬や当歳馬がデビューするのは
2018年・2019年です。

どんな競走馬になっていくのかぜひ注目していきたいです。

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