北海道馬産地見学ガイドツアー2017 静内の牧場を巡る
北海道馬産地見学ガイドツアー2日目の今日は静内、
新冠方面の牧場を廻ります。
静内のレックススタッド・アロースタッド新冠の
ビッグレッドファーム・優駿スタリオンステーション。
昼をはさんで
三石の本桐牧場・浦河のイーストスタッドの予定です。
全6ヶ所今日も充実した内容です。
ホテル出発は早朝7時半時間厳守でバスに乗り込み、
それでは出発です。
バスに乗ること20分ほどで最初の目的地レックススタッドに
到着しました。
ここでは放牧場にいる種牡馬たちを自由に
見学させていただきます。
ぜひ会いたい馬が3頭います。
まず天皇賞秋・香港マイルなどG1を6勝したモーリスの
父 『スクリーンヒーロー』
フランスのG1イスパーン賞を10馬身差で圧勝した
『エイシンヒカリ』
そしてなんといっても極め付けは牝馬で64年ぶりに
日本ダービーを征した
名牝ウオッカの父 『タニノギムレット』
放牧地の配置図を見ながら廻っていきます。
それぞれ広く手入れされた放牧地をあてがわれ
悠々自適な生活を送っています。
今の時期種牡馬たちは、今年度のお仕事も終わり
一番リラックスできるときです。
まだまだたくさんの馬たちがいますが全部ゆっくり見て
回る時間はないようです。
バスは次の目的地アロースタッドに
向かって出発です。
次の目的地アロースタッドにも個性的な
種牡馬たちがたくさんいます。
なかでもペルーサは現役時代からファンの多い馬で、
まだ種牡馬になったばかりですが
父のはたせなかったG1制覇を彼の子供達に望む
ファンも多いことでしょう。
ファンが多いと言えばビッグレッドFのゴールドシップも
スーパーアイドルホースです。
現役時代から人気実力ともに兼ね備えた馬で、
芦毛の白い馬体でかわいい顔立ちながら
我の強い性格で調教師さんや厩務員さんを手こずらせた
エピソードも数知れずなのですが、
真剣に走ったときの強さは半端なく、
皐月賞・菊花賞のクラッシック二冠
天皇賞春・有馬記念も制覇し
G1 6勝フランスの凱旋門賞にも挑戦した名馬です。
そんな性格の危うさも魅力のひとつなのでしょうか
ツアーの方たちの中にもシップ目当ての方が
たくさんみえました。
実際に会ったシップはそんな気の悪さなど微塵も
感じさせない穏やかな馬に見えましたし、
馬房の中で給水器で遊ぶ姿は無邪気で
むしろかわいかったです。
私も好きな馬の一頭なので一緒に写真に納まることが
できよい記念になりました。
どうだったですか?
ゴールドシップの当歳馬かわいかったですね。
この仔馬の競走馬デビューは2019年。
どんな走りをみせてくれるのでしょうか。
今から楽しみです。
さて午前中最後の訪問地は優駿スタリオンステーションです。
ここにはダート巧者の名馬たちがたくさんいます。
今年初年度産駒がデビューしているエスポワールシチーも
多くの産駒が二歳戦で活躍しています。
優駿スタリオンの近くにある優駿メモリアルパークには
オグリキャップやブライアンズタイムなど
名馬のお墓や記念碑がたくさんあります。
「煌めくサラブレッドたち」で書いたタマモクロスの
父シービークロスのお墓もありました。
優駿記念館には優勝肩掛けやゼッケン・活躍馬の写真など
競馬ファンには興味深い資料がたくさん展示されています。
記念館の横にある放牧地は、かつてオグリキャップが
暮らしていたそうです。
今は菊花賞馬マヤノトップガンが一心に
草を食んでいます。
今年25歳ですが年齢を感じさせない若々しい
馬体をたもっていました。
昼食をすませて本桐牧場に着くと功労馬として
繋養されているトウショウオリオンが私達を
迎えてくれました。
今年24歳ですがとても温厚で元気一杯。
牧場主のご好意で私達が差し出した人参を
おいしそうに食べてくれました。
今は無くなってしまった名門トウショウ牧場が
大切にしてきた
血統がいっぱい詰まったトウショウオリオン。
今はここ本桐牧場でとても大事にされ
幸せに暮らしています。
いよいよ2日目の訪問も最後の1か所になりました。
浦河にあるイーストスタッド。
タイキシャトルやダノンレジェンドなど
がいる種馬場です。
今日もたくさんの名馬に会えました。
一緒に記念写真もとってもらえました。
ゴールドシップ・タイキシャトル・ヴァーミリアン
トーホージャッカル・ホッコータルマエ・メイショウドトウ
どの馬もこんなに近くで見られるのは、
生産者でもなく
馬主候補でもない一般見学の私達にとっては
たぶんないことでしょう。
ツアーに参加してよかったなあと思う私でした。
皆の満足を乗せてバスは今日の宿泊地登別グランドホテルに
向かうのでした。
◎登別グランドホテルとユートピア牧場
二泊目の宿泊地登別グランドホテルの経営者の方は、
登別にあるサラブレッド生産牧場のひとつ
ユートピア牧場の経営者でもあります。
ユートピア牧場といえばオーナーブリーダー牧場のひとつで
たくさんの名馬を生産してきた老舗牧場です。
なかでも天皇賞春などG1を3勝しながら、
引退レースになるはずであった宝塚記念のレース中、
左前足に重度の骨折を発症し予後不良安楽死となった
ライスシャワーの生まれ故郷であることは競馬ファン
周知の事実です。
牧場にはライスシャワーのお墓とそれを見守るように
建てられた母ライラックポイントの墓があります。
もう二十年以上も前の出来事ですが、いまだに墓参に
訪れるファンの姿が後を絶たないそうです。
また「淀に咲き、淀に散った孤高のステイヤー」
ライスシャワーは京都の馬場がめっぽう強かったといいます。
その京都競馬場にはライスシャワーの遺髪が納められた
記念碑が建立されており、
その記念碑には牧場主でもあり馬主でも
あった栗林英雄さんの夫人の姉が詠んだ
「疾走の馬 青嶺の魂(たま)となり」
という詩が捧げられています。