石川・富山を巡る 4 海王丸の総帆展帆を見る

 

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前夜のおいしいお寿司の余韻が残る中、一夜明けた富山のホテルの朝。

さて今日はどこへ行きましょうか?

もう決めてあります。

今日10月16日は「海王丸パーク」に係留している帆船海王丸の総帆展帆が
行われる日です。

年10回行われる総帆展帆もあと二回を残すのみです。

夏の盛りに豊橋港の「海フェスタ」で帆を広げた海王丸を見て以来、
その美しい姿をぜひもう一度見てみたいとこのパークを訪れることを
計画しました。

今日も素晴らしい晴天です。

きっと真っ白な帆が空の蒼に映えるでしょう。

「海王丸パーク」のある富山県射水市へは、ここから30分ほどです。

急ぐことはありません。

ホテルでゆっくり朝食をすませることにします。

朝食はビュフェ形式で和食・洋食が用意されており・朝から
おでんや焼きそばまであります。

おいしいかどうかと言われればまあ普通ですが、朝6時30分から利用
できるので重宝です。

モーニングコーヒーも飲んで、さてと出かけることにします。

「海王丸パーク」へはナビの案内の通りに進み、やがて港湾関係の
建物が並ぶ一帯を超えると、新湊大橋と海王丸が見えてきます。

広い駐車場がありゆったりした公園です。

係留されている船は「海の貴婦人」と呼ばれた初代の海王丸
今は引退して常時ここに展示され、一般公開されています。
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最初に「海王丸」と総帆展帆について書いておきますね。

※海王丸
海王丸とは日本の航海練習船で大型練習帆船である。
1927年(昭和2年)3月に鹿児島県立商船水産学校の練習船「霧島丸」が
宮城県金華山沖にて暴風雨にみまわれ乗組員および生徒全員53名が死亡する
海難事故が発生しました。

この事故が契機となり翌年(昭和3年)当時としては破格の大型プロジェクト
となる二隻の練習帆船の建造が決定されたのです。

そして昭和5年1月に第一船「日本丸」が、同年2月には「海王丸」が
進水しました。

これら2隻は文部省管轄となり、海王丸は、この年の10月から12月にかけて
ミクロネシアのトラック諸島に初の遠洋航海にでかけています。

太平洋戦争中は帆をかけることなく、船体も灰色に塗り替えられ石炭の
運搬船として従事しました。

終戦を向かえた後は復員船として2万7000人の引揚者を輸送しました。

昭和30年再びもとのように帆装を取り付けられ、船体も白く
塗り替えられて「海の貴婦人」と呼ばれた元の姿によみがえりました。

その後1989年(平成元年)に退役するまで59年間に渡り航海練習船として
その役割を全うし、

引退後はその役目を「海王丸Ⅱ」に引き継ぎ、ここ富山の新湊で
恒久展示保存されています。
            (ウィキペディアを参考に書いています)

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※総帆展帆
すべての帆を広げるイベントのことをいいます。

海王丸は常時公園に展示されてますが帆はたたまれています。

しかし年に10回ですがボランティアも含めて盛大に帆が張られます。

作業は1時間あまりです。

風をはらんだ真っ白な帆は帆船の真骨頂であります。

さて10時30分になると船員さん・ボランティアさん達が甲板に
あがり作業が開始します。

掛け声が聞こえてきます。

最高マストは46メートルあまりありますが命綱を掛け替えながら、
船員さんたちがスルスルと昇っていきます。

ボランティアさん達はたぶん甲板作業をしているのでしょう。

三角の帆が最初に張られると、次々に全部で29枚におよぶ
帆が張られていきます。

最後に国旗が掲揚されると作業は完了です。

「海の貴婦人」と呼ばれるにふさわしい見事な姿に変身しました。
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帆を張り終えたので今から船内を一般公開します。

豊橋で見たときは、中は見れなかったので入って見学することにします。

見学料金は大人400円・小人200円ですが、今日は半額とのことで200円。 

ラッキー!

大きな船なので大勢の人が入ってもそんなに混雑することはありませんが、
通路は狭いのであわてず、ゆっくり廻ることです。
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海王丸には幸せを呼ぶパワースポットがあります。

それは船尾付近に付いているタイムベルです。

タイムベルとは練習船であったころ訓練生に鳴らす回数で時刻を知らせる
時計のようなものでした。

59年間の航海中も引退した今でも訓練生やボランティアに磨かれ
ピカピカの光沢を放っています。
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大勢の船乗りに見守られてきたことから不思議なパワーがあるとされ、
また海王丸の進水日が昭和5年の2月14日(バレンタイン)ということもあり、

そんな幸せの鐘をならすカップルも多いようです。

そんな「恋人の聖地」タイムベルを我が家も鳴らしましたよ。

初老のカップルは長寿祈願。そして娘は健康祈願ですって。

・・なんか趣旨が違うがまあいいか?

そんな調子で船内を見学。

普通に寄宿舎付きの学校みたいな設備の数々。

こんな海の男を育てる船があるんですね。

海ナシ県の我々にとって目からうろこの見学でした。

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