疾風のレクイエム その4

   2015/01/05

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ヒサトモの血脈がおこした奇跡はこれで
終わりではありませんでした。

自分の末裔たちに終の棲家を与えてくれた
内村氏の恩に報いるようにヒサトモは更なる
奇跡の仔馬をさずけるのです。

1988年4月新冠の長浜牧場でその鹿毛の牡馬は
うまれました。

父は「皇帝」と呼ばれ史上初の無敗の三冠馬・七冠馬
そしてパーソロンの最高傑作とされる

名馬シンボリルドルフ

母はトウカイナチュラル

あのトウカイミドリの二番仔でトウカイローマンの
半妹にあたります。

ヒサトモのような流星とソックスをまとったその仔馬は
脚長で華奢でありましたが独特の品を感じさせる馬で
あったと言います。

その出生も偶然というにはあまりに宿運を
感じさせるものでした。

ルドルフがダービーを制覇した時たまたまそれを
観戦していた内村氏はその圧倒的な強さでレース
を支配したダービー馬に一目ぼれし

ローマンが繁殖に上がった暁には、是非ルドルフを
つけたいと思ったのです。

6歳になったトウカイローマンは勝ち星からも遠ざかり
引退も視野に入れるようになっていました。

そのローマンのため内村氏は新種牡馬となった
シンボリルドルフの種付け権を用意していたのです

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しかし引退レースのつもりで走った新潟大賞典で2着

復調の兆しを見せたローマンに引退の花道を
飾れるかも知れないと、現役続行の決断が下されたのです。

せっかくのルドルフの種付け権は宙に浮いてしまいました。

思案した内村氏はローマンの一歳下のトウカイナチュラルに
ルドルフを付けることにしたのです。

しかし姉のローマンに比べナチュラルは競争馬になることもなく
早々に繁殖に上がった馬でした。

そんな事情で生まれた仔馬は育成調教を始めると素晴らしい
才能を開花させはじめます。

後肢の柔らかいフットワーク大きなストライドで伸びやかに
走るその姿は、精悍な顔貌とも相まって周りの人に大きな
期待を抱かせるに充分過ぎるものがありました。

シンボリルドルフの最高傑作といわれたこの馬は、
父ルドルフと同じように無敗で皐月賞・日本ダービーの
二冠を達成し、さらにジャパンカップ・有馬記念をも制します。

競馬を知らなかった人までもがその名前を口にし、
絶大な人気を得た名馬

・・トウカイテイオー・・

その馬だったのです

まさに内村氏はかけがえのない究極の名馬をさずかったのでした。

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